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「1枚めの日記」 なんかしらないが(日記)なんてもんをかかにゃならんハメになった。これは絶対!にあいつらの陰謀だ、とオレ様は思う。 オレ様の報告書が読みにくかろーがどーしようが、他のヤツラがちゃんとしたの書いてりゃそれで話し通じるじゃんかよぉ! それを、言うに事欠いて『作文の宿題として、日記をつけなさい』だと〜〜っ!? 夏休みの小学生じゃねぇっつーの! あ〜〜いやだいやだ! ほい、これで1枚目終わり。 文句あっか? 「2枚目の日記」 ・・・・・思えばずいぶんと永い時間がたったものだ。 みんなは、日記は毎日書くものだ、とあいかわらずうるせぇが、書くことねえものはねえのだ。 オレ様の胸をアツくするようなナイスな事件がおきるわけでもなし。 書くことねーんでマロンのメニューのレパートリー報告にでもすっか、と朝昼晩と食ったもん書いてたら「グルメエッセイじゃぁねえんだ」とかなんとか筋肉バカにどつかれた。 街で出会うカワイイ娘へのお誘い文句を書いてみたらショコラに追いまわされた。・・・・おまえあてに書いたんじゃねーっつーの・・・・・・なんでか上手くいかないナンパ報告書くのも悔しいのでいつか出会える運命の美人との楽しい予定を書いたらティラに、言うに事欠いて「エロ小説!」とわめかれ、しばき倒された。 だ〜も〜何書けってんだよ?!こんなかわりばえしない日常をよぉ・・・・・・。 だいたい、こうやって振り返ってみると、あいつら・・・・みんなして、オレの日記読んでるわけ?! プライバシーの侵害だよなぁー・・・・・。 これ、やめたいなぁ・・・・・・・。 さもなきゃ、何かオレ様大活躍のなんぞ事件でもおこらんもんか。はぁ・・・・・・・・・・ 「3枚目の日記」 依頼が来た。テキはけっこうデカイらしい。 いよいよこのオレさまの華麗なる活躍をガンガン書きこめる日がきたのだな。 美人のおねーちゃんに華をそえてもらいたい。 待っててよ!まだ見ぬオレの彼女!! ・・・・・ここまで書いたら、あいつらに待ってるのは女じゃなくて法族だろう!? と、さんざんどつかれた。 だーかーらーてめえら、ヒト様の日記を読むんじゃねえっ!! 「4枚目の日記」 ターゲットは、かーなーりー強かった。筋肉バカは大ケガしちまうしマロンもやばかった。 ショコラとティラはたいした被害出てないから無視! でもまぁ色々とありましたがオレ様がゾアントロピーしてバッチリ任務完了。 任務完了のこまけーことは、オレ何も覚えてないのでマロンとティラあたりの報告書を読んでくれい。 報告書って・・・・・これでOK? 「5枚目の日記」 反省文。・・だそーだ。こないだのやつは、ぜんっぜん報告書になってねえ!と全員に怒鳴りつけられた。 マムの笑顔なんか、そりゃもう最悪って感じ? 書き直しを命じられたんだがー・・・・考えても考えても報告書なんて書けねえ。だって、オレ覚えてねーんだってば。なんでみんなそこんとこをわかってくれないのかねぇ? オレは何も覚えちゃいない。 覚えてねえんだ。 「6枚目の日記」 昨日の日記を読ませたら(だから・・・なんで日記を他人に見せにゃいかんのだ?日記っってえのは、もっと、こう・・・・・・・)また怒られた。筋肉バカが包帯巻いた腕でなぐりやがった。また、それがケガ人のくせに痛ぇのなんの。 てめぇがやったことを『覚えてねえ』ですますのが許せねえ!ときたもんだ。言いたいことは、アイツが言ってる意味は、わかる。一言もしゃべらねえままオレを見てた残りの連中の気持ちもわかる。たぶん。わかるが、オレをそんな目で見んじゃねえよなー。 報告書の書き方を勉強しろ、とか言われてあいつらの書いたもんが来る。そーいやオレあいつらの書いたのって読んだ事なかった。終わった後まで仕事のことひきずるのなんかやなこった、だもんな。 まぁしょうがねえ、読んでやっか。オレ様の活躍ぶりって、どんな風に書かれてんかな? 「7枚目の日記」 マロンの報告書を読んだ。残りのやつらの分が読めなくなった。 一番上にあったやつを、めくって見たらあいつのだった。字がキレーで読みやすかったし、あいつのだと思うと、なんかよけいに読みやすかった。 ああ、ホントに読みやすかった。あいつ、やっぱ頭良いんだよな。何がどうなってどう終わったのかが、すげぇよくわかる。 あいつは、ガキのころは弱虫だった。優しいやつだ。頭、いいんだ。だから あいつに こんなことを書かせないでくれ。オレは、あんまり頭良くねえから、考えこむのは苦手だから、嫌なこと思い出してもなんとかなるから。きっと、なんとかするから。 オレは、オレがやらかしたこと思い出せるだけ、わかるだけ全部書くから。 「8枚目の日記」 報告書。 ガトーが腕を折った。 マロンが式神使えずにケガした。 残り二人は無事。 標的の立つ魔方陣に突っ込む。 マロンに戻してもらう。 部屋中に血が飛んでいる。ぶちまけたような血の真ん中にオレは座っていた。全部オレの血じゃなかった。 報告書おわり。 「9枚目の日記」 新しい仕事が入った。禁呪を見つけ出し消去すること、だそーだ。 みんなは、もうオレに報告書は書かなくてもいいと言うが、オレはもう決めた。 オレのやったことはわかるかぎりきっちり書く。 とにかく、明日にはもうそこに着く。庶民からの仕置きの依頼じゃない、教会の調べた禁呪の仕事だ。依頼人に会ってムカつく話しを聞かなきゃならねーこともないし、も、OK,OK,。 情報収集に町歩って、まだ見ぬ運命の彼女を探そう! 「10枚目の日記」 ナンパ、じゃないです。情報収集に出て、不作だった、じゃない。情報はなかったけど、なんか気の良いカッコいいのと会う。すげぇ可愛い女の子と遊んでやって(ああ・・・あと10才、いや、8才。う〜ん、オマケして6才!!育ってたら、絶〜対っ!声かけちゃうんだが・・・・)したら、その子の兄キだって言って来て、なんか、この町のこととか、家族のこととか話しこんでしまった。 法族なんだけどその二人、ここの領主とは遠縁にはあたるんだけど、暮らし向きなんかは、もー庶民と変わんなくて果樹園で働いてるとか言ってた。 たとえ法族でもそーいう上下関係とか、家が金持ちかどうかとか色々ムズカシイんだなぁ。 話しやすすぎて、つい禁呪のことまで質問しちまったが、聞いたこともねえそうだ。うん、あんな兄妹が、禁呪なんかに関わってるわきゃねーよな。 気分良く宿に帰る。 遊んでたつってどつかれたがそれでも気分良し! 「11枚目の日記」 気分良く目覚めたので、まだるっこしいことはまかせて町へ遊び、じゃなかった、情報収集へ出る。ちょっとナイスな彼女の荷物運ぶの手伝って町から外れたら、昨日の二人がいた。 だだっ広い、キレイなブドウ畑でここの領主のモノなんだけど、管理は代々スナック家←カール(昨日のにいちゃんの名前)んちがやってるんだそーだ。 今は、なんか枯れて見えるけど夏のころは素晴らしいんだと自慢された。時期だったら好きなだけ食わせてやれるのに、と残念がられた。 季節になったらお休みもらって、弟や仲間も連れて来てもいいか聞いたらいいって言ってくれたし。 よし!決まったな。うん。 宿へ帰ったら、なんかティラが手がかりを仕入れてきたとか言って話しあいが始まっていたけど、ず〜っとブドウ畑で手伝いしてたんで、疲れたからフケる。 「12枚目の日記」 報告書。 オレが全部一人で。 オレが一人でやった。 みんなは、禁呪の消去だけが目的だった。オレは、ゆうべ話しを聞いていなかった。聞いていなかったのも オレ一人のせいだ。 ブドウ畑があんなにキレイだったのに。自慢なんだって、あの二人も笑ってたのに。 その畑を潰したのはオレ一人がやった。 オレにブドウ食わせてくれるって言ってくれた畑を潰した。 言ってくれた人も、潰した。 禁呪はブドウ畑全体の土地を使っての、魔法力を増大させる、古い古いシロモノで、持主の子孫の、ここの領主にも使い方なんかわからないモノで。 あの二人は、それを封印、開封する役目の家系で。 マロンが上手くその封印を引き継いで処理する手はずだった、らしい。 カールはブドウ畑が大事だっただけなのに。 チェルシーちゃんも、兄とあの場所が好きだっただけなのに。 オレは、てめえ一人さえ止められなかった。 マロンに戻されたとき、あのキレイだった畑はなくなっていた。 オレが食わせてもらえるはずだったものは、オレが。 食わせてくれると笑ってくれた人も、オレが。 昨日まで、あんなにキレイなあんなにキレイな場所だったのに。 気がついたら、オレの両手は赤かった。ブドウ酒につっこんだみてえだな、と思った。爪ん中まで真っ赤で。 指に金の髪が巻きついていた。 オレが オレが オレが この大バカ野郎のオレが。これは仕置きでも正義でも無い。こんなことが正しいはずがねえ。 この報告書を読んだ誰か。オレに罰を。 どうかオレに罰を罰を罰を罰を罰を罰を罰を罰を罰を罰を罰を罰を罰を罰を罰を 「13枚目の日記」 教会へ帰る。こないだの報告書は、あいつらやマムに見せても、みんな何も言わない。 オレにアイソをつかしたんだろう、きっと。 それともそれとも何か、オレの報告書は、何かどこかまだ書き足りてねえのかもしれない。 覚えてねえオレは、もっと酷いなにかをしでかしてるんじゃねえんだろうか?あいつらの報告書読めば、オレがやったことがもっときっちり書いてあるのかもしれない。 読ませてくれるよう頼んだのに、マムは読ませてくれねえ。まだ、今までのことを詳しく聞いてないらしいドーターに、参考にしたいと言ったら出してきてくれた。 これから読む。 「最後の日記」 マロン達みんな怒ってた。 オレ、夜中徹夜してみんなの報告書読んでいつ、次の日になってたのか いつ、あいつらがオレの側で騒いでたのか ぜんぜん覚えてねえ 変身して 覚えも無く 人を殺し続けてきたオレが もう このまんまでも 覚えがなくなってしまった ガトーがオレを殴ったのは あの事件の いや、ちがう 今までオレが やってきたことへの罰だろう。 マロンが ショコラとティラが泣いてたのは なんでだろう あいつらが泣くほど オレは どうしようもねえんだろう マムに呼ばれたら、もう悪徳法族は一人もいなくなったんだそうだ もう オレは仕事しなくてもいいんだって ほんとかな それじゃ、なんでマロンたちはどっかに出かけて行くんだろう なんで オレと一緒にここにいないんだろう 仕事が終わった法族狩りは、ここから出ないで暮らすって ほんとかな もう 報告書かかなくていいって この日記も もう しまうんだって もし できるなら しまわないで マロンにわたしてください 終 |
という訳で(どんな訳?(笑))再びえぬさわさんからいただいた小説です。
ああああ・・・・・・・心臓が痛い・・・・。
泣けるよな・・・・・(T-T)ともあれありがとうえぬさわさん。
おいら、あんまり喜んでないように見えるらしいけど、死ぬほど喜んでます、本当です(笑)